東京地方裁判所 昭和54年(ワ)12763号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
【説明】
春日和雄が被告と協議離婚するに当り、本件建物を財産分与として譲渡したことが、詐害行為に当るかどうかが争われた事案である。
【判旨】
右認定に反する証拠はない。右事実及び前記認定事実を併わせれば、借地権付きの本件建物は昭和五五年二月頃の取引価額として二六七〇万円の評価がなされているけれども、昭和四八年頃の右建物の建築費約八〇〇万円の内一〇〇万円を被告が出捐し、和雄と被告の二一年間の結婚生活において訴外和雄の稼働力は高いものとはいえず、競艇等ギャンブルへの出資もかなりあつたこと、被告が離婚後本件建物のローン返済を引き受けたこと、被告には自律神経障害の持病があり本件建物の家賃収入で生計を立てる必要があつたこと、離婚にいたつた主な原因が和雄のギャンブル等の金銭問題であつたことなどに照らし、本件の財産分与は慰謝料の趣旨をも含むものとして考えると、不相当に過大であつたものとは認めることができない。従つて、本件財産分与は詐害行為を構成しないことになる。
(荒井真治)